坂足の新名物!? 誕生秘話

坂足区に住む後呂光さん・秀子さん夫妻のお宅に伺うと、「あれ？」と思う光景に出合う。「こんなところにきいちゃんを抱いた人がなぜ座っているんだろう？」と思って近づくと、なんとそれはよくできた「かかし」ではないか！この光景には、だれもが一度は驚くはずだ。

このかかし、じつは増える猿の被害をなんとかしたいと、後呂さんが手作りでこしらえたもの。しかし、ご本人いわく「残念ながらまったく効果がなかった」らしい。普通ならそこで意気消沈してしまいそうなものだが、ただでは起きないのが後呂さん。試しに家の前に飾ってみたら、あら不思議、何とも言えないにぎやかさが生まれるではないか。以来、雨の続く日には、かかし作りをするようになり、いまや４体のかかしが出迎えてくれるようになった。

２０１１年の台風による被害で、未だ完全には復旧していない後呂さん宅への道。車を走らせると少しだけ不安な気持ちになるが、かかしが出迎えてくれると、驚きとともにホッと安心するのは気のせいではない。それはきっと、作る後呂さん夫妻の温かな人柄が、かかしにも宿っているからだ。

「いつでも見に来て」と後呂さん夫妻。かかしが、坂足の新名物になる日も近い！かもしれない。何より、後呂さん夫妻のやさしい笑顔が、坂足の名物なのは言うまでもないことだろう。