8月25日、色川中学校の講堂を舞台に「色川参観日」が開催された。「参観日」というネーミングには、来場者に色川の様子、住民の様子、なぜ移住者が多いのか、どんな暮らしをしているのか、子どもたちはどんな様子か、などを参観してもらい、勝浦や新宮など近隣の地域に住む人にとって近くて遠い色川をもっと身近に感じてもらおうという願いが込められた。
町議会での新校舎建設の承認を目前にひかえた中での開催だったので、地域一丸となって色川をアピールする絶好の機会となり、保・小・中育友会の保護者をはじめ、児童・生徒・卒業生、色川青年会など地域の有志も準備・運営に携わった。
当日は雷轟く悪天候となったが、のべ80人以上が入れ替わり立ち替わり訪れ、休日の学校はにわかに活気づいた。会場内には子どもたちの美術作品や学校の歴史を手書きした年表のほか、住民主体で長年発行を重ねてきた「色川だより」からは歴代の移住者が移住するまでの経緯や色川への思いを綴った「はじめまして」のコーナーが展示され、来場者は興味深そうに見入っていた。
同時開催となった神戸市出身の絵巻物師・東野健一さんによる紙芝居(ポト)の上演は、白熱の演技で老若男女を笑いの渦へ巻き込み大盛況。午前の部ですっかり心を奪われた子どもたちは、東野さんが午後の部始まりの合図をすると目を輝かせていち早く席についていた。
この日、来場者のうち一番多くを占めたのは小学生以下の子どもたち。狭い会場には終始明るい笑い声と元気な足音が響き、あまりの元気の良さに講堂の床が抜けはしないかと心配になるほどであった。
9月の議会で新校舎建設が正式に決定し、施工に向けて無事計画が動き出すことになった。少子高齢化が叫ばれ課題ばかりが山積するかのように見える昨今だが、学校が存続し、子どもたちが地域の大人に見守られる中豊かな体験を重ね、これからもどんどんと育っていくことを考えると色川の未来は明るい。