茶摘みに沸き立つふるさと

熊野の茶所・色川。八十八夜(今年は5月2日)が含まれるゴールデンウィークは、茶摘みや田植えの準備をしに帰省する人で賑わい、一年で最も活気あふれる季節です。
–pagebreak–
色川では製茶工場に出荷して生活の糧としている農家も多いですが、地元住民のほとんどは、手摘み・釜炒り・天日干しという昔ながらの製法で、自家用のお茶を作っています。人手が足りなければ、住民が助け合って茶摘みをするところもあります。

自家製のお茶を離れて暮らす子や孫たちに送る人も多いですが、やはり色川のお茶、色川のコメ、そして色川の水で作った茶がゆこそ、ふるさとの味であり、送ってもらったお茶で茶がゆを炊いても、味が違うそうです。

色川の先人たちが残した財産「お茶」は、ここで暮らす人々の生活を支えるだけでなく、遠く離れた家族をつなぎ、ふるさとの味・香りを届ける、そんな役目も担っています。
(執筆:とばやん)

5月上旬、新芽を手摘みする風景があちこちで見られました

 

子どもたちも茶摘み体験

 
色川で茶摘みが最盛期を迎え、町立色川小学校・中学校でも茶摘み体験が6日に行われました。

今年は霜の被害が多い中で、同中学校の茶畑は良好なほうですが、摘み取る時期が10日ほど延び、収量も少ないようです。天候も心配されたが、茶摘みを無事に終えられ、皆、ほっとしていました。

摘んだ茶葉は、ごみなどを除き、釜で炒って手もみします。釜炒りの作業は地元住民に手伝ってもらい、生徒たちは炒った茶葉をもむ班と、もんだ茶葉をむしろに広げる班に分かれて作業しました。

昔ながらの手摘み・手もみを体験し、2年生の吉田大河くんは「少し疲れたけど、楽しかったです。来年もお茶を摘むのが楽しみです」と感想を述べました。

小学校では、大野の白水節二さんの茶畑で茶摘みを行いました。こちらも手伝いに来てくれた住民らと一緒に、上級生は下級生に教えながら茶摘みを体験しました。いつもなら元気よくはしゃいでいる子どもたちが、この日は黙々と茶摘みに取り組み、その様子に驚かされました。一生懸命摘み取った新茶を味わう日が待ち遠しいです。
(執筆:ヨーヘー)

釜炒りした茶葉を手もみする中学校の生徒たち

小学生は住民と一緒に茶摘み体験