平均年齢60歳、美里会のシイタケ作り

「おい、次重たいの行くぞー」「間、あんまり詰めんなよ、シイタケ大きならんぞ」
シイタケの榾木(ほたぎ)を次々と運ぶ男たちの威勢のいい声が杉林に響いています。彼らは小阪区の青年会「美里会(みさとかい)」(尾林由晴会長)のメンバーです。7月4日早朝から10人のメンバーが集まり、榾木を立てかける横木を組んで、2月に植菌した原木300本を立てる作業を行いました。
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美里会が生まれたのは2年前。「小阪は人が少ないから、ここに住んでいる人と、近隣に出て行った人との親睦を図るために、みんなに呼びかけた」と尾林会長は話します。区の高齢化が進み、人手が少なくなる中で、区内の草刈りなどに勤しんできました。

また、クリやナラなどの木が大きく茂り、サルが来る原因ともなっていた雑木林を切って、山林化・サルの被害を防止し、区内を明るくしようと、昨年11月に伐採作業を行いました。切った木をそのままにしておくのはもったいないということで、それを利用してシイタケ栽培に取り組んでいます。

青年会とはいえ、会員12人は全員50~60代。ですが、小阪で生まれ育った彼らは、子どものころから農林業に従事しているためか、木の伐採や榾木・横木作りもお手の物。チェンソーや草刈機も難なく使い、青年よりよっぽど頼りがいがあります。

「半分老人会やな」
「榾木腐ってく前に、わが腐ってくぞ」
「そしたら仏さんへシイタケあげたるわ」
そんな冗談に笑い声が絶えない中で、作業は着々と進みました。

この日は、作業の後に総会も開かれ、会の規約を確認し、活動内容を相談しました。休耕田での花の栽培や、ジャバラの栽培、川の浄化など、会員からさまざまな提案があり、今後の展開が楽しみです。

尾林会長は「こういう活動を続けるのは大変やけど、みな、自分が生まれたふるさとのために、という思いがある。このままでは集落はすたれていくので、大きいことはできんけど、とにかくこうして人が集まり続けて、小さくても何かしていけたら。それが活性化になると思う」と語ります。

今は男性ばかりですが、会では女性も募集しています。また、小阪在住者・出身者でなくとも、小阪を応援してくれる人であれば入会できるそうです。“ふるさと応援団”の仲間が広がっていくことを期待したいです。
(執筆:たき)

榾木を手渡しながら運び、横木に立てかけていく

シイタケ作りの作業に参加した美里会のメンバー