住民共同の水タンク掃除や草刈り

蛇口をひねれば水が出る・・・それが当たり前ではない色川では、各家庭が直接、谷から水を引いたり、地区で共同タンクを据え水道を管理したりと、行政に頼らない独自の水道運営が現在も続いています。
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田垣内地区の籠でも、住民による水利組合が共同の水タンクを管理しており、毎年この時期にタンク掃除が行われます。今年は7月4日、住民と籠ふるさと塾に滞在して農業実習を受けている若者ら総勢14人が、タンクにたまった泥を洗い流し、表面に付いた苔や汚れを落とし、周辺の草刈りに汗を流しました。

休憩中に聞こえてくる昔話も興味深いです。今では当たり前に使われている黒パイプがなかった時代は、竹を連ねて家まで水を流したこと、各家庭に平等に水が行き渡るように、竹から水を落とす穴の大きさは同じにしたこと、子ども時代にその竹の掃除をさせられたことなど、話は尽きることなく、時がさかのぼっていきます。

この日は道の草刈りも行われましたが、色川では「半夏生(はげし)の道刈り」といって、昔はどの地区でも7月2日の半夏生に住民が共同で道の草刈りをしたそうです。

竹から鉄管、そして黒パイプへ、また、鎌から草刈機へと、時代は流れても、こうした共同作業が地域の絆や伝統を次世代に引き継がせていきます。
(執筆:とばやん)

共同タンクの外側と内側を掃除して、周辺の草を刈る