大学生が地域の行事と出会う

施餓鬼

各地区で施餓鬼が行われる8月。小阪区でも、例年通り施餓鬼が行われた。しかし、8月11日朝7時半、準備をしている南泉寺をのぞくと、少し様相が違う。住民たちがテキパキと仕事を進めるなか、慣れない手つきで寺を掃除する若者が2人…。修行し始めのお坊さんに見えなくもない彼らは、実は和歌山大学のインターン生だ。

今年小阪区は、和歌山大学の「ローカルインターンシッププログラム」(LIP)の受け入れを始め、5人の和大生がすでに色川を訪れ始めている。彼らは「住民の生活や声をじかに聞きたい」「地域に貢献できることを見つけていきたい」「行事や地域文化を体験したい」という思いでプログラムに参加している。今回は、1回生の相良駿(さがらしゅん)さんと巽颯馬(たつみそうま)さんが、小阪区の施餓鬼を体験。寺の掃除、仏具の配置などの準備から、焼香をあげるなどの法要まで一連の流れを体験。「今までこうした行事は経験したことがなく、とても新鮮だった」「施餓鬼の意味が実感としてわかり、住民が集まる場としても大切なものだと思った」と話していた。

今年は3名の初盆の法要があり、30人以上が集まった。今は小阪を離れている人も多いが、懐かしそうに挨拶をかわし、体に染み付いているように御詠歌を歌う姿に、それぞれの中で行事が生きていることがわかる。

住民それぞれにとっての行事への思い・大切さだけでなく、準備の大変さ、終わった後の安心感など様々な感覚を、学生は少し感じられたはず。いつもと違う学生の参加に住民の皆さんも戸惑ったと思うが、温かく受け入れ話しており、互いの刺激にもなったのではないか。地域と学生とが無理なく、よりよい関係を築いていく新たな一歩となりそうだ。

施餓鬼を手伝う大学生