サル、イノシシ、シカなどの数が増え、色川でも農作物や果樹への獣害が深刻化している中、色川鳥獣害対策協議会(曽根和仁会長)では、捕獲用の檻や電柵・ネットの設置などさまざまな対策に取り組んでいます。特に、稲穂が実る8~9月は、サルの群れが田んぼを襲撃するため、住民からの通報をもとに、交代で見回ってサルの被害を防ぐ追い払い活動を毎日行っています。
8月30日、田垣内区に設置したサル捕獲用の檻に、メスのサルが捕まり、発信器を着けて放すことになりました。発信器の装着を依頼するのは、三重県松阪市のNPO法人サルどこネット。三重県を中心に、猿害対策や人と野生動物の共生に向けた調査・実践に取り組んでいます。
翌31日に、スタッフの六波羅聡さんが松阪から4時間かけて来てくれました。サルを小さい檻に移し変えて、麻酔を投与し、首輪式の発信器を取り付けます。再び檻に入れて、捕獲した場所に戻り、元気になったのを確認してから放します。発信器の電池は3年ほど持ち、水の中でも作動するとのこと。
サルが群れに戻れば、群れの行動や位置が発信器で確認でき、追い払い活動がしやすくなります。サルが田畑に入れず、里で食べることができない状態が続けば、山からあまり出てこなくなるそうです。
サルに発信器を装着する際の麻酔処理に、獣医師の処方・指示が必要ですが、この近辺に引き受けてくれる人がいないため、「県でそうした専門家を指定し、支援してくれたら」と曽根会長は話しています。