徳島県上勝町住民が訪問

徳島県上勝町の住民33人が10月9日に色川地区を訪問し、町立籠ふるさと塾で色川の住民と交流しました。
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今回訪れたのは、生実地区の4集落の住民20人と傍示地区の4集落の住民13人の計33人。色川からは、6区の区長や色川地域振興推進委員会の委員など13人が参加しました。

上勝町は人口約1900人、農林業が主産業で、特に葉っぱや花を料理のつま物の材料として商品化した「彩(いろどり)」産業で知られています。また、焼却・埋め立てによるごみの処理をゼロに近づける「ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)」政策、登録ボランティアが診療所や買い物などのための移動サービスを行う有償ボランティア輸送事業などに取り組み、全国から視察者が訪れます。

しかし、上勝町でも高齢化が進み、集落機能が維持できなくなる危機が迫る中、住民が持続可能な地域社会実現のため、「集落再生」に向けて具体的な施策を実行するプランを策定する「上勝町集落再生プロジェクト事業」を行っています。今回はその事業の一環で、色川地区の新規定住促進の取り組みを学ぶために訪問しました。

交流会では、まず色川側から色川地区の概要、新規定住者受け入れの経緯や仕組み、町立籠ふるさと塾、色川百姓養成塾の活動などを説明。その後、上勝町住民から、Iターン者の就業状況や空き家の確保、Uターンの状況などについての質問がありました。

同委員会の原和男会長は「仕事がなくてもこれだけIターンがあるのは、『ここにいたい』と思わせる何かがある。それはいきつくところは『人』。人との出会い・つながりの中で、定住を決めている人が多いと思う。そして、新たに生まれた子どもたちがここにい続けなければ、1000年の歴史の中で積み上げられてきたものが受け継がれない。地域を守る、活性化させるとは、子どもたちがここにいたいと思えるようなむらづくりをしていくことだと思う」と話しました。

上勝町側から最後に「苦労されたことから、今後の取り組みまで、丁寧に説明してくれてありがたかった。また、仕事がなくても定住を決めるのは『人』とのこと。住民が激減していく中で、Iターンを受け入れることが、地域が生き残る道と考えて頑張っていきたい」とお礼の言葉を述べました。
(執筆:たき)

色川の取り組みについて聞く上勝町住民