色川に通うカメラマン~辻井隆昭さん

大阪在住の辻井隆昭さんは、2007年秋、勝浦での写真展の際に、初めて色川を訪れました。今年2月に再度勝浦で写真展をした後、高野林道から坂足区の「ボージ岩」(「タカラ岩」「ボウズ岩」ともいう)に出会い、何度も色川へ足を運ぶようになりました。
–pagebreak–
「熊野で初めて水の色を見ました」と語る辻井隆昭さんは、色川だけでなく、古座川流域の集落にも足繁く通い、空、水、岩、そして自然の中に現れる光の色などを写真に収めるカメラマン。自然と人間の営みの結びつきに注目し、本業のリサイクル業を営む大阪でも、地域の自然を復活させる活動をしています。

また、写真の被写体としての色川だけでなく、古くから鉱山とのかかわりが深い色川の歴史にも関心を持ち、訪問の際には、定宿の籠ふるさと塾の近くに住む地元住民と話し込むこともしばしばです。

「近年の過度な商品化、制度化によって失われてしまったものを取り戻したい」と、本来日本に存在した地域循環システムの重要性についても強調する辻井さんは61歳。「熊野には、自然とつながりを持つ生活文化が残っており、まだまだ可能性がある」と、生き生きとした表情で語ります。近々、古座川に拠点を置き、本格的に熊野での活動を開始する予定です。

辻井さんの写真は、インターネットでも閲覧可能(http://2ge.org/takaaki/)。

(執筆:さっちゃん)

高野林道からボージ岩をのぞむ(撮影:辻井隆昭)

坂足区を訪問し、下向晶子さん(左)と久保久彦さん(中央)から昔の話を聞く辻井さん(右)