棚田でししおどしの流しそうめん

毎年7月初旬に行われる「棚田を守ろう会」の草取り体験イベントで、昨年は150mの流しそうめんを作った。いや、小阪の人、守ろう会の人、ジュオンネットワークの人、多くの人の協力を得て、何とか完成にこぎつけた。

ただ、大変な割には「そうめんがやわい」「水がぬるい」「最後しかそうめんが見えない」と肝心なそうめんがあまり好評ではなかった。

そこで今年は方向性を変えた。「距離は短いが、趣向を凝らしたものを作る」。労力もそこまでかからないし、見ていて楽しいし、何よりそうめんがうまい。さて、どんな仕掛けを作ろうか。いろいろ考えてみる。

「ぐるぐる回るコースを作ろうかな。いや、そうめんが取りづらそう。10mくらいそうめんをジャンプさせてみようか。いや、どうやってその高さを作りだそうか…」

何かもっと、全米は泣かなくても流しそうめん界が震撼するほどのものを作りたい。行き詰ってきた。よし彼らを呼ぼう。

少し前まで東京で活躍していたイラストレーター兼クリエイターのピカ。山の中だろうがビル街だろうが関係なく斬新な流しそうめんを成功させてきた流しそうめん界の風雲児ゴロ。これで間違いなく最高のそうめんコースが出来上がる。

少し考えていると、その言葉は出た。彼らの名のごとく雷が落ちたかのような衝撃が走る。「ししおどし」、いや違う、「ダブルししおどし」。決まった。

前日準備では、ししおどしの台座をどうするか、ししおどしが傾いた時に流れてきたそうめんをどうするか、となんやかんや言いながら無事完成。

もともと、草取り体験の集客コンテンツの一つとしてそうめんを流し出した。それは今も変わっていない。今年も流しそうめんのおかげでお客さんが増えたかというと、そうでもないが、やり続けて発信していくことで確実に実現していく。この記事を読んだ皆さん、次は一緒に作りませんか。

最後に、流しそうめん作りにご協力いただいた小阪や守ろう会の方々、ジュオンの方々、本当にありがとうございました。

結局全米は泣かなかったけど、草取りが済み、風にゆれる棚田の全「米」はどこか喜んでいるように見えた。