色川伝統行事~お弓祭り

12月24日にご案内した「お弓祭り」が1月2日、穏やかな晴天の下で、大野区のお弓保存会により色川中学校で執り行われました。
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前日の元旦には、厳しい寒さの中、保存会の3人が代表として水垢離の神事を色川神社で行いました。まず神主から玉串を受け取り、色川神社でまつられている御神体の大岩に奉納し、二礼二拍手一礼。水垢離神事の祝詞をあげながら、艪(ろ)をこぐような動作などをします。その後、御神体の前の川に入り、「えい、えい、えい」と気合の声をあげて3回水を浴び、心身を清めました。

そして、本番のお弓祭り。最初に、神主役が盃を持って弓役、弓渡役、舞手、引き手、たたき手に神酒をつぎます。終わると、弓役の親、中、下の順番で弓渡役から弓と矢を2本受け取り、射る所定の場まで移動。弓役は計6人で、親、中、下の3組あり、それぞれ表と裏に分かれます。親は五の矢、中は四の矢、下は三の矢まで射るので、計48本射ることになります。最後に万歳楽役の舞手1人、引き手1人、たたき手2人の計4人が所定の場に移動し、まずは引き手役が祝詞をうたいます。次に舞手役がうたい、たたき手と引き手はその祝詞の一句ごとに両手を三回動かして「まんだいら」と唱えます。

(舞手の祝詞一部抜粋)「二十四の 作り物 根強し 葉広し しゅんの やさアくの 稲つむ ほされて 実はまた 石みに かなみに 入(いり)こそ ましたれ 飯(いい)にや かし(き)けば ほうらいの やまとよ 酒に 造れば 泉の 御酒とよ 命は 長えの ひしゃくで くめども もれども つきも せざりけり この風(ふ)に まんざいらくを まわすれば ところは はんじょう 村はまた たいやかに 荘司(しょうじ)どの おいわい 親方の おいわい 射子(いこ)の衆の おいわい おいわい」

こうしてお弓祭りは無事終了しました。

今回お弓に初めて参加した色川中学校3年生の田村大樹君は「初めてなので緊張した。でも地元の行事に参加することができてよかった」と話しました。田村君は自ら進んでやりたいと参加。お弓保存会では、今後もこうした若者が現れることを期待しています。

筆者も水垢離神事に参加し、中の表の弓役を務めました。会の一員として、まだまだ課題は山積みですが、大野区皆で協力し合ってよりよいお弓祭りにしていきたいと思います。そして今年も村が平穏でますます繁栄していくことを願います。

最後に、お弓祭りを見に来てくれた皆さんに心よりお礼を申し上げます。
(執筆:ヨーヘー)

水垢離の神事で身を清める

色川中学校で行われたお弓祭り

万歳楽の様子