石碑への思い 田古良さんに聞く

「色川姓サミット実行委員会」(田古良元昭代表)では現在、「色川発祥の地」と刻印した石碑建立の構想があり、寄付を募っている。石碑建立には、どのような思いが込められているのか。田古良さんにお話を伺った。

「色川姓の方が自身のルーツを求め、以前から色川を度々訪れていた。平成3年頃、私が色川出張所に勤めていた時に、東京で出版社に勤務している色川恵三さんが訪問された。恵三さんとはそれ以降も、長く交流が続いた」

恵三さんは、色川姓の歴史を詳しく調べており、約14年をかけて本にまとめようとしていたという。歴史家の色川大吉氏から序文をもらえれば完成というところまで至ったが、残念ながらその前に恵三さんは亡くなってしまった。田古良さんは恵三さんがまとめたもののコピーを持っていたので、なんとか形にしたいという思いがあったそうだ。

「そんな矢先、平成25年頃、村山勝茂さん、原和男さん経由で、東京の高橋さんという方から、色川大吉さんのフォーラムを色川で開催しないかと、話が出たが進めるのはなかなか難しかった。そこで、当時発足していた『色川を語り継ぐ会』の中で、『色川姓サミットをやったらどうか?』という話になった」

色川姓サミットとは、全国の色川姓の人たちと色川を結びつけ、歴史・文化を学びつつ交流を深めて行くことを目的としたものである。

平成26年に第1回色川姓サミットが、平成28年に第2回が開催され、全国から色川さんが集結。そして第2回開催時に、色川姓発祥の地とわかる碑を建てたらどうかという話になったそうだ。

どうして石碑なのか?「石碑は永く残るからね」と田古良さん。

「もともとの色川の人が少なくなってきているからね。なかなかそういうことがね。もともと生まれて先祖からずっと続いている人は、特に『色川』というものにこだわり、執着があるから」

色川氏の祖は平維盛といわれている。平維盛が隠れ住んだとされる色川に対して、色川さんたちも特別な思いがあることが、交流する中でわかったという。

ここが色川という地名、色川姓の発祥の地であること。脈々と暮らしが営まれてきた色川という場所があるということ。それを形にして後世に残したい。永く残る石碑は、その思いを託すのにふさわしい。この石碑は、色川のこれまで、そしてこれからを想像する一つのきっかけになるのではないか。