10月10~11日・海南市。基調講演では色川に数回来ている棚田ネットワーク代表・中島峰広先生が「水田の8%が棚田であり2016年にはその減少に歯止めがかかったこと、棚田のもつ多面的な役割にきづくことが大切」との話。キーワードは「棚田には価値がある」。
続いてUターン者である城本誠一氏により、愛媛県大洲市樫谷地区でオーナー制度を利用して棚田保全に奮闘されている様子が紹介される。そして大浦由美先生(和大観光学部)によるコーディネートで有田川町の沼(井澤氏)、橋本の柱本(大原氏)、色川(峯)が参加してパネルディスカッション。テーマは「5年間のサミットを振り返り、今後を考える」。まず棚田を維持してよかった点として「棚田の景観だけでなくその周辺にまで手が入るようになったこと、そしてその精神衛生上の効果」。「外部の学生や社会人による作業ボランティアのお陰で地区に活気がでてきたこと」。「地区内の複数の団体間の連携により幅広い活動が可能になった」。
色川や柱本では「新規のIターン者が地元の人になじむ場や農作業の実習の場としても機能してきた」。また複数の参加者からは「大雨の時、田の状況を見て、水田のもつ保水効果を実感として理解できた」との意見が出される。
課題としては峯よりは、「発足して13年目になるが、当初に比べ仕事が忙しくなったり、子育てが始まったりで、作業に参加する会員の数が極端に少なくなり一部に負担が偏ってきたこと」「賛助会員の減少による収入減が運営に影響してきたこと」などを挙げた。
今後の抱負としては、「単に米作りを続けるということにとどまらず、地域の人に喜んでもらえる運営・イベントという形を常に頭に置くこと。また現状すでに色々有難い効果が出ている都会人との交流を大切にして色川ファンを増やし、色川の今後につなげていきたい」と話した。
交流会では、複数の方より地域全体に広がっている効果をもっとアピールして、東京でトラスト会員の募集を考えてみたら、とアドバイスを受けた。