昔の暮らしを聞き書きした冊子が完成

色川百姓養成塾(西浦完治代表)が昨年から小阪区と田垣内区で進めてきた、昔の暮らしに関する聞き取り調査の結果がまとまり、冊子『小阪の思い出』と『田垣内の思い出』が完成しました。
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これらの冊子は、同塾の長期塾生3人が中心となって、昔の暮らしや行事、仕事、風習、小字・街道の名称など、地元の住民から聞いた話をまとめたもので、同時に収集した当時の写真も収められています。

色川には、1000年に及ぶ長い歴史の中で脈々と培われ、伝承されてきた暮らしの知恵や技術、説話が豊富にあるものの、それらを伝える世代が減りつつあるとともに、受け継ぐ世代も少ないという厳しい現状に直面しています。同塾では、色川で代々暮らしてきた住民たちの貴重な記憶や思い出を、できる限り残していきたいという思いから、小阪区と田垣内区に滞在する塾生が、聞き取りと昔の写真を収集・保存する活動を実施してきました。今回、各区の冊子を作成したほか、田垣内区では、歴史的な謂れのある場所を説明する看板も作成しています。

「こうして聞かれて話をすると、だんだん昔のことを思い出すね」「昔はえらかったけど、本当に楽しかった」と話す住民たちと、「不便だった時代に、自分の力でいろいろなものを生み出してきた力は本当にすごい。もっと若い世代にその力を伝えてほしい」と語る塾生。このような相互のやりとりや取り組みがいろいろな地域で行われ、そこで培われてきたものが守り伝えられてこそ、その地域の新たな活力が生まれるのではないでしょうか。

色川地区では、今後も同様の取り組みを続けていく予定です。

完成した冊子

田垣内区に設置された看板の一つ