色川には、いろんな人がやって来る。その多くは、「色川という地域」に興味を持っているのではないだろうか。
3月4~6日、和歌山大学システム工学部・佐久間康富准教授と学生たちが色川を訪れた。まちづくりや都市計画を勉強している学生たち。普段、都市部をフィールドにすることが多いため、今回は農山村の成り立ちを知るきっかけとして、佐久間先生が連れて来た。ちなみに、佐久間先生は以前から何度も色川を訪ねている。
先生と学生らは1月にも色川を訪問。主に大野区、口色川区、小阪区で、空き家問題や獣害対策の取り組みなどを住民から聞き、実際に集落を散策した。
3月4日の夜は、明るくする会(新宅伸一代表)のメンバーと懇親会が口色川会館で開かれた。学生は、住民からさまざまな話を聞けた様子。伸一さんが持ってきた昔の写真を、学生がスマートフォンで撮影、みんなで見られるようにプロジェクターで投影した。植林の木が生い茂る前の口色川の景色、水害の後の復旧の様子など。さまざまな出来事が重なって今の風景になっているのだと実感する。
地元の住民が写真を一枚ずつ解説。移住者もあれこれ質問したり、学生も熱心に聞き入っており、大変盛り上がった。
1週間ほど空いた3月16日。再び佐久間先生たちが色川に。佐久間先生が所属する日本建築学会農村計画委員会集落居住小委員会が主催の公開研究会が、口色川会館で開催された。「少人数社会のかたち」と題し、色川地区のこれまでの取り組みについての研究会である。
本研究会は、これまで全国8か所の過疎地域で開催。少人数でも成立可能な暮らしの仕組み、世代の継承のあり方について、今後も各地で具体的な取り組みを聞いていくそう。色川からは、地域振興推進委員会の役員を中心に7人がこれまでの取り組みを発表。色川外からは、約30人が参加した。大学教授やその学生、また、新潟県十日町市飛渡地区から有志10人が、バスで色川まで約13時間かけて参加。住民主体の地域づくりについて、熱心に質問していた。
会の後は、地元の女性たちが作った料理を食べながら懇親会。語らいは深夜まで続いた…。
全国で過疎化が進み、今にもなくなりそうな地域は多い。色川は移住者が入り、子どもの声は聞こえるが、人口は減少傾向にある。子どもたちが大きくなった時、どんな色川になっていたらいいだろうか。