色川の絵手紙教室

「今日は鯉のぼりの絵を描きます。絵はがきを台紙に張ってひもを付けたら壁にも飾れるので、お孫さんなどに送ってあげるのもいいですね」–pagebreak–

4月1日、桜の花が咲き始めた円満地公園の管理棟の一角で、絵手紙教室が行われました。講師の濱本淑子さんが、今日描く絵の説明をすると、生徒たちはさっそく、鯉のぼりの写真を見本にしながら、はがきに絵を描き始めました。

毎月第1金曜日に開かれている絵手紙教室が始まったのは、2009年11月。色川地域内での高齢者福祉の自給を目指す「色川ゲタバキの会」の城房子さんが、色川にお年寄り向けのカルチャー教室があればいいなと思っていたときに、町内浦神在住の濱本さんと知り合い、色川で絵手紙教室を開いてくれることになりました。城さんは「何をするにも町のほうへ行かないとできない、というのではなく、地域の中でこういう教室があれば、お年寄りの生きがいの一つになるのではないかと思った」と振り返ります。

毎月、季節の草花などを題材に、はがきに絵を描き、一言メッセージを添えます。教室が始まって約1年半。当初、生徒は色川の住民だけでしたが、最近、地域外からの生徒も増え、現在、10人が通っています。

この日初めて参加した小阪区在住の大前一枝さんは大正11年生まれ。「絵を描くなんて70年ぶり。90歳の手習いやね」とはにかみます。初めてということもあり、この日はスイセンとレンギョウの花の絵に取り組みました。濱本さんのアドバイスを受けながら、娘さんが送ってくれた絵の具を使って丁寧に仕上げ、2枚の絵手紙を完成。1枚は大阪の息子さんに送るといいます。

難しかったけど、楽しかった。まだまだ観察力がないと思った」と話す大前さんに、濱本さんは「そう気付いたということは、観察力が生まれたということ。今まで何気なく見ていただけだったのが、絵手紙を通じて、今までと違うことに気付き、新しい発見がある」と伝えました。

全員の絵手紙が完成したら、お茶を飲みながら、作品を鑑賞して意見し合ったり、おしゃべりをします。このお茶の時間も楽しみの一つだそうです。生徒たちは「絵手紙を離れて暮らす家族や友人に送ると、相手からも返ってくるのがうれしい」と話します。「1年たって、皆さん上手になったけれど、それよりも、楽しくやることが一番」と濱本さん。

絵手紙教室は毎月第1金曜日午後1時~3時に開かれ、参加費は1回700円。参加希望の方は植野畑加代子さん(0735-56-0315)まで。

また、5月に円満地公園で絵手紙展が開かれます。問い合わせは円満地公園(0735-56-0771)まで。
(執筆:たき)

鯉のぼりの写真を見本に絵を描く

初めて参加した大前さん(左)にアドバイスする濱本さん

作品を持ってみんなで記念撮影