地区外に避難した住民と再会

色川地区の高齢者福祉のため、地区内のお年寄りを対象に“ミニ”デイサービスの活動を行う「色川寄り合い所」。–pagebreak–

今年3月に活動を開始し、那智勝浦町社会福祉協議会と連携して、月に1度、食事やレクリエーションを楽しむ小規模のデイサービスを提供してきました。

9月は台風の影響で休止しましたが、10月に再開。町内のデイサービスセンターが休業している事情もあり、月2回、実施することになりました。

10月21日の活動では、14人の参加者を連れて宇久井の「休暇村 南紀勝浦」へ。この日は、台風12号で被災し、地区外へ避難した住民にも呼びかけ、1カ月以上ぶりに再会を果たしました。

地区外に避難した参加者は「地下(じげ)の人にもう会えんと思っていた。長生きしてもええことないと思っていたが、みんなに会えてこんなにうれしいことない」「生まれ育ち、80年も生きてきたところで、あんなに恐ろしい目にあったのは初めて。今日はみんなに会いたくて、楽しみに待っていた」と話し、涙ぐみながら再会を喜びました。

休暇村では、皆で昼食を食べた後、希望者のみ温泉にも入浴。その間、被災したときの様子や近況などをゆっくりと語り合いました。参加者の一人は「(地下の人とは)何十年も一緒やった。話をするのが一番のごちそう」と言います。

色川寄り合い所では「今後も同様の活動をしたい」とし、参加者らは再会を約束して帰路につきました。
(執筆:たき)

皆で食事と会話を楽しんだ