被災地の住民につきたてのお餅を

台風12号で被災した口色川区で、住民につきたての餅を食べてもらいたいと、ボランティアたちが12月23日に餅つきを行った。–pagebreak–子どもからお年寄りまでたくさんの住民が口色川会館に集まり、できたての餅や豚汁、ぜんざいなどで身も心も温まった。

この餅つきを企画したのは、「被災地に温かいおでんをプロジェクト」のメンバー。東日本大震災の被災地でおでんと一緒に餅つきを行ったところ、とても好評だったので、和歌山県でも開催したいと考えていたとき、メンバーの友人に色川地区出身者がいたことから今回の企画が実現。ボランティアに、和歌山、大阪、奈良、京都、遠くは東京から25人が参加した。

用意された餅米は約10キロ。ボランティアの女性たちが、餅米を蒸しながら、豚汁を準備。餅米が蒸し上がると、石臼に移され、住民、ボランティア、子どもと、皆でリズムを取りながら5回に分けて杵で餅をついた。

また、区長の新宅伸一さんがぜんざいを、区民の黒江美鶴さんが手作りのさんま寿司と漬物を振る舞い、住民とボランティアが「おいしい」と言いながら、あっという間にたいらげた。

住民からは「つきたてのお餅はやわらかくておいしい」「とても温まった、ありがたい」と喜ぶ声が聞かれた。新宅区長は「過疎化、高齢化地域の復旧、復興は、住民だけでは限界があり、鍵はボランティアが握っている。本当にありがたい。今度は遊びに来てほしい」と感謝の言葉を伝えた。

メンバー代表の布袋年弘さん(和歌山市)は「この餅つきをきっかけに今後も支援を継続させていきたい。被災地のために何かしたいと考えている若者は多い。これからも友人同士の呼びかけでメンバーのつながりを広げていきたい」と話した。(ざっきー)

餅つきの前後には、ボランティアが土砂掻きを行った