農山村活性化ファシリテーター養成講座

地域振興をサポートする人材の能力アップを図る「農山村活性化ファシリテーター養成講座」が、1月7~10日に籠ふるさと塾で行われた。–pagebreak–主催は東京のNPO法人エコ・コミュニケーションセンター(ECOM)。

「ファシリテーター」とは、話し合いを「容易にし、促進する」役割を担い、一人一人が持つ知恵や経験、気づきを引き出し、皆が等しく参加できるようにする人のこと。

この講座では、多様な立場の人々がかかわる地域づくりや地域の課題解決の取り組みを促進するためのさまざまな手法を学ぶ。講師はECOM代表の森良さん。色川の地域振興にかかわる若者ら5人に加え、他県から2人が受講した。

1日目と2日目は「入門編」と題し、7日はまず、1対1の対話を促す「インタビューゲーム」を行い、その後、2つのグループに分かれ、「地域サポート人とは」というテーマで、カードを使って意見を出し合い、共通項や違いをまとめていく方法を学んだ。

午後は、「たんけん・はっけん・ほっとけん」という参加型プログラムを体験。2グループに分かれて、それぞれ田垣内区内を歩いて回り、その中で気づいたことなどを地図に表し、発表し合った。

8日の午前中は、前日のプログラムで作成した地図をもとに、地域づくりの課題を整理し取り組みを考える体験学習。

午後は、質問力を高める「質問力ゲーム」と、相談力を高める「相談対応ロールプレイ」を実施。それぞれ、話の本質をつかむための「聴く力」や、課題解決に必要な情報を聞き出したり、話す人の頭が整理されるための「質問する力」を養う練習だ。

3、4日目は「実践編」として、課題解決に向けた活動を考えるプログラム作りに取り組んだ。

まず受講者それぞれが「やりたいこと」を決め、それを「いつ」「どこで」「なぜ」「だれと」「どうやって」を図に描く「マインドマップ」を作り、発表・評価し合った。

次に、各自がその課題について、参加者の問題意識や学びを深め、自発的なかかわりを促していく25分間のワークショップを企画。「開発と伝統」「色川の仕事探し」「Uターンを増やそう」など、7つのワークショップを順番に行い、評価し合った。その後、それぞれの「やりたいこと」を実現していくためのプロセスや最終的なビジョンを考える作業を行い、発表した。

最後に、4日間の講座全体を振り返り、感想や意見を出し合った。それぞれ、学んだ手法を活動の中で生かすことを話したほか、「地域の暮らしや歴史への意識が高まった」「ほかの受講者の意見に考えさせられた」「気づきがたくさんあった」「色川に来られたことが財産になった。新しいネットワークができた」などの感想が寄せられた。

講座を通じ、さまざまな手法を学んだだけでなく、それぞれの立場・場所で地域づくりにかかわる人たちが、思いや考えを共有し、交流を深める機会となった。(たき)

各受講者が参加型のワークショップを企画・実践した