
「色川小中学校(山口哲校長)の図書室の一角に、新しい本棚が設置された。単純にそれだけの出来事ではあるのだけれど、この本棚には物語がある。 2025年9月に色川鳥獣害対策協議会(原裕会長)による緩衝帯整備によって、小阪区の椙吉神社横の山の一部の木々が伐採された。緩衝帯整備とは、里と山の境界の木々を切り、見晴らしの良い環境を作ることで、獣が近寄りにくい里環境を作るというものだ。
鳥羽山誠一さんをはじめとした木こりたちの手によって切られたその木々は、同じく小阪区にある德森木材の製材所の土場へ運ばれた。一本一本癖のあるその木々たちは、製材され板になり、数カ月間の天日乾燥を終え、加工され、本棚という形となって色川小中学校の図書室で新しい命を迎えるに至った。 地域にある木を使って地域に必要なものづくりを行うことは、一昔前なら当たり前にあった光景なのだろうが、それが難しくなってしまった現代で、このような地域循環のものづくくりができた物語には、大きな価値があるのではないかと思う。それと同時に、これから色川で育っていく子どもたちの成長を陰で支えるものづくりができたことをうれしく思う。
