色川小児童が伝統の釜炒り茶作り

那智勝浦町立色川小学校(丸谷昌良校長)で、毎年恒例の茶摘み、釜炒り茶作りが5月7日に行われた。同校では、学校で飲む1年分のお茶を自分たちで手作りしている。–pagebreak–

茶摘みは、今年も大野区の白水節二さんの茶畑を借りて午前中に実施。

「お茶摘みは、『一芯三葉』と言って新芽の3枚目ぐらいまでの若葉を摘むのがいいんですよ」

白水さんの説明を聞いた後、児童11人と教職員は新芽を丁寧に手摘みし、各々腰につけたかごや袋に入れていた。

途中の休憩時間には、同校が行っている米作り体験学習で1週間前に児童たちがまいた種もみの生育を観察。米作り体験学習の指導もしている白水さんが、苗代の水を切って根の生長を促す「芽干し」の様子を説明した。

休憩後に茶摘みを再開し、お昼までに摘んだ茶葉を学校に持ち帰った。

午後は、講堂で茶葉を加工する製茶の学習。釜で炒った茶葉を手もみして天日干しする、昔ながらの釜入り茶作りだ。まず先生が茶葉を炒り、児童たちがむしろの上で手もみし、横にした網戸に茶葉をほぐして広げる。

熱々の茶葉を5・6年生が軍手で少しもんでから小分けして下級生たちに渡し、もみ方を教えると、4月に入学したばかりの1年生も小さな手で一生懸命にもんでいた。

作業終了後に、児童一人一人が「みんな協力してがんばっていた」「1年生は初めてだったが教え合ってきれいにできた」など感想を述べた。1年生も緊張した面持ちで「難しかったけれど、がんばってできたのでよかった」と発表した。

最後に校長先生が「お茶を摘んでもむのはしんどい作業だが、しんどい体験の後においしいお茶ができる。昔から続いてきた日本の文化をしっかり受け継いでほしい」と伝えた。(たき)

芽干しを観察する児童たち

炒った茶葉をむしろの上でもむ

もんだ茶葉を広げて干す