那智勝浦町立色川小学校(丸谷昌良校長)で、「命の教育」と題する授業が1月15日に行われた。
これは同校育友会の企画で、「かづこ助産院」(同町北浜)の本舘千子院長を講師に迎え、児童が命の誕生や大切さについて学ぶ授業。昨年に続き2回目の今回は保護者や地域住民も参加した。
「命の始まりの大きさは、0.13ミリのほんの小さな点。それが1週間たったらゴマの大きさになり、次の1週間で米粒の大きさに、その次の1週間でアズキの大きさになります・・・」
本舘さんはまず、赤ちゃんが生まれてくるまでの様子を絵や人形を用いて説明。おなかの中の赤ちゃんがお母さんの食べたものの味やにおいがわかるということや、生まれるときにお母さんの骨盤の間を自分の力で回りながら出てくることなどを話した。
また、昔のローマという国の王様が、赤ちゃんに話しかけたりあやしたりしなければどんな言葉を話すようになるかという実験をしたら、言葉を話し始める前に死んでしまったという実話を紹介し、「みんなも小さいときに周りの人が話しかけてくれたから大きくなれた。お父さんとお母さんの愛情や思いやりがあって命が始まり、生まれてからは周りの人の愛情で大きくなります。だから、みんなも大きくなってきたら、周りの人に愛情ややさしさを分けてあげてください」と伝えた。
その後、大人と子どもがペアになって、手の平を合わせたり、背中を軽くたたいたり、「大きくなったね」「生まれてくれてありがとう」と話しかけたりし合った。「スキンシップや言葉のプレゼントが大事なので、家でもぜひやってください」と本舘さん。
児童からは「赤ちゃんが自分で回りながら生まれてくるのがすごいと思った」「赤ちゃんが愛情で生きていることがわかった」などの感想が聞かれ、保護者からも「普段は照れくさくてなかなかできないが、大切なことを伝えるよい機会になった」「今度はお父さんにも参加してもらいたい」と継続を求める声があった。