〜熊野黒潮本舗 松村 光隆さん〜

山の中で塩ができるいうて おもろいやろ。

熊野黒潮本舗 松村 光隆さん

なぜ、山で塩をつくろうと思ったのですか?

おもろいやろ。皆不思議がりよるね。普通は海のそばでやるのが常識やさかな。わざわざ遠いとこまで運ばなあかんのは、効率からいうてもムダやさか(笑)。
なぜかいうたらな、ここ色川には木材がいっぱいあるわけや。それも処分せなあかん、かわいそうな木ばっかりやわ。今やったら間伐材捨てるにも経費かかるしな。「塩」づくりは「火」がいるわけや。すなわち「炊く」ということ。普通に炊くいうたら油(燃料)使うけど、ウチは油(燃料)一切使わんから。木材を処分したりする際に燃やすことで、燃料になるさか、木も最後のご奉公というわけね。だからわざわざ山でやってる。燃料いらんから環境にも貢献しとるで(笑)。

塩づくりのこだわりを教えてください。

塩の元は海水やから、炊くときに不純物を除かなあかん。毎朝必ず、そのチリをすくってるけど、結構大変な作業やけど、毎朝、海水見ることで、塩の出来具合がわかるんや。その時に強い火で追い込むか、今日は静かに行こうかとかな。
だいたい釜に入れる海水は15,000リットル。夜中も火は入ってるで。だいたい火入れて20日くらいで塩ができるんやけど、最後は必ず晴れた日、お天道様に干すわけやわ。これが最後に旨味がぎゅっと凝縮されるんや。やっぱりお日様はすごいで。やっぱり、すべてが手づくりということかな。

「やっぱ、最後はおひさまの力を借りんとな。」
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http://www.kumano-kurosio.com/