迫力の落語で、新春初笑い!

恒例の山里文化クラブ(外山哲也会長)による「色川寄席」が、今年も口色川会館で行われた。開催日の1月20日は、日中とてもいい天気だったためかスタッフ含め約40人の老若男女が集まった。

幕開けは、浦勝良さんによる「江戸芸かっぽれ」。桂文三さんも「これがないと始まらない!」というほど、今や色川寄席での定番演目。登場するだけで温かい拍手と笑いが起こる。

かっぽれで景気良く始まり、まずは桂文三さんが一席。文三さんは、2016年に第11回繁昌亭大賞を受賞し、のりにのっている落語家だ。演目は、「手紙無筆(てがみむひつ)」。物知りのご隠居とそれを頼って手紙を読んでもらおうとする八五郎、実はご隠居は文字が読めないのだが、それを隠して2人があべこべなやりとりをする。読めないことを隠そうとするご隠居が面白い。

続いては、こちらも恒例・桂雀喜さんで、演目は、「鬼の面」。子守奉公の女の子をからかおうとする旦那。女の子の大事なおたふくの面を鬼の面にすり替えてしまう。女の子は鬼の面に驚き、おたふくによく似たお母さんに何かあったに違いないと、急いで家に帰るが…。来年の話をすると鬼が笑うなんて言うが、その言葉がオチで絶妙に効いた演目だった。

トリは、もう一度文三さんが登場。演目は「親子酒」。「本当に酔っ払っているんじゃ?」と心配になるほどの演技力で、父親と息子それぞれの酔っ払いを見事に演じ分けた。冒頭の歌は、この演目での枕。気持ち良さそうな文三さんの名調子と、観客の温かな笑い声が口色川会館に響いていた。

お二人とも、毎年色川で公演してくださり、今年で9回目を迎えるそうだ。来年は、記念すべき10回目。寄席後の懇親会では、来年は盛大にやりましょうと盛り上がった。雀喜さんは中国語での落語にも挑んでいるそうで、新たな試みに燃えている。文三さんも、年々安定感と迫力が増していて、次回への期待は否が応でも高まる…来年の色川寄席は、よりいっそう見逃せない演目になる!