小さい花に大きな願い

田舎暮らしや自給自足にあこがれて、色川にやって来る人たちが、生活体験や農業実習を受ける間、宿泊する施設「籠ふるさと塾」。色川の最奥西部地区にありながら、色川に定住したいというIターン希望者や、他地域からの視察者などを受け入れる、「色川の玄関」ともいえます。
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そもそも籠ふるさと塾は、1977年に休校となった籠小学校を改築した建物。休校後も西部地区の人々によって、毎年10月に大運動会を開催され、同地区の「元気」「和」、そして「絆」の象徴となっています。

この塾のグラウンドへ下る道の一面に、コメツツジの花が咲いています。自生しているわけではありません。塾の活性化に取り組むために地元有志で結成された「かご会」が植えたのです。決してよいとは言えない土壌にピンクのじゅうたんを敷き詰めようと、ある者は挿し木で苗を作り、ある者は山から引いてきました。数種類の桜とともに植えられたコメツツジは、この地域で育つ子どもたちに“誇れる田舎”を残したい、そんな思いが込められています。
(執筆:とばやん)

籠ふるさと塾に咲くコメツツジ