34回目のかごの運動会

第34回色川西部地区運動会が、17日に元籠小学校運動場で開催され、色川内外から約350人が参加し、山上の運動場に喚声が響き渡りました。
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昭和52年3月、町立籠小学校が100年に及ぶ歴史に幕を下ろしました。地域の子どもたちは色川小学校へ転入し、地域から子どもの声が失われようとしていました。そのとき「運動会だけでも残そう!」と地域の若者が立ち上がり、西部地区運動会として、新たなスタートを切りました。

海を見渡すことのできるグラウンドで行われるその運動会も、今年で34回目を迎え、地域になくてはならない、一つのお祭りへと成長してきました。この歴史の中には、名物「大トラ子トラ競争」(めくったカードに書かれた量のお酒を飲んで走る競技)や、「丸太切り競争」「田掻き競争」など、色川らしい競技が考案され、学校の運動会とは一味違う盛り上がりを見せてきました。

そんな運動会を創り上げてきた当時の若者たちも34の歳を重ね、腰は曲がり、頭も白くなり、あるいはその白くなるものすらないというようになってきました・・・。

目に見えて襲ってくる過疎・高齢化の大波に飲み込まれようとしていた地域に、少しずつ若者が暮らし始め、家族を持つようになりました。運動会の運営にもかかわるようになり、そのバトンが今、渡されようとしています。

34年もの間、運動会を創り育ててきた久保元勇さんは「若い人たちも積極的に手伝ってくれてうれしい。せっかく34回も続けてきたのだから、ずっと続けていってほしい」と話し、奈良県からIターンしてきた仁木厚二さんは「なくなると寂しい。誰かがバトンを受け取って走り続けなければ」と思いを語ります。

全員参加によるラジオ体操で幕を開けた34回目の運動会は、竹馬リレーや三角つな引きなど盛りだくさん、笑い満載で、最後の競技・全員参加リレーのように、バトンはしっかりと手渡されていくと思わせるほど大成功でした。
(執筆:とばやん)

3チームに分かれて綱を引く三角綱引き

大きな輪ができた色川盆踊り

わらで縄をなう縄ない競争

子どもからお年寄りまで、全員が参加して走る4色リレー