伝統の「会式」の行事

熊瀬川区で「会式」(えしき)の行事が2月4日に執り行われた。非常に厳しい寒さの中、区民13人が区の寺「両谷庵」に集まった。–pagebreak–

最初に皆で茶畑の中を通って金光明最勝王経一字一石塔に向かった。この塔の下には名前の通り小石に一字ずつ経文を書写し、埋められているという。塔の前に集まり、住職による読経が行われる。その後、区民が一人ずつ参拝する。

読経の後、住職は「熊瀬川は特に『恩』ということ、先祖様への恩、生命の尊さを思う気持ちがすごいものがある。この塔の形やお墓の戒名にもそれが表れている」と語った。

再度茶畑を通り抜けて寺へ戻り、今度は境内にある法華塔の前に集まった。ここでも住職による読経、そして一人ずつ参拝する。参拝の方法は、樒で水をかけ、一つまみの米をまく。

法華塔の参拝が終わると次は寺の中へ。寺で読経した後、住職は「先人たちの思いを受け継ぐこと、いろんなことが起こる中、生きた生命体を守り抜くこと、そのために常に自問自答する。その集大成が読経ということである」「お経を読むということは自分を癒やす。同時に自分に喝を入れることでもある。そうして自分をコントロールし整える。先祖からお迎えが来るまで自分を保つことは大変なこと」と話した。

法要の後、お茶とお菓子が振る舞われ、住民たちはゆっくりとしたひと時を楽しんだ。(えい)

寺の境内にある法華塔