明治大学小田切教授が調査訪問

9月13日から14日かけて小田切徳美(おだぎりとくみ)明治大学教授の調査訪問があった。今回は農文協から刊行される「シリーズ田園回帰」(全8巻)の取材のため、編集者、カメラマンとともに来訪した。

1日目の取材では、移住者を受け入れた当時の経緯や地域の雰囲気、また地元と移住者の関係性や役割感について聞き取りが行われた。2日目は座談会形式にて聞き取りが行われ、小田切教授を進行役にし、新宅伸一さん(色川区長連合会会長)、原和男さん(色川地域振興推進委員会会長)、大西俊介(色川地区集落支援員)の4人で座談会を行った。座談会では、移住者受入れ当時の話から、青年会発足の話、各々の地域に対する想いなど様々に話が展開した。

小田切教授は全国各地の中山間地を歩いて回り、実証的な中山間地の研究を行っており、地方消滅論を唱えた増田レポートに真っ向からの反論を試みている。農文協から刊行される「シリーズ田園回帰」で、小田切教授は「田園回帰とは、単純に農山村移住という行動だけを指す狭い概念ではなく、むしろ農山村に対して国民が多様な関心を深めていくプロセス」と定義しており、「地方消滅論」の対抗軸として位置づけている。

色川は農山村移住において先進地として名が知られており、取材・調査・視察での訪問者が多数あり成功事例としてよく取り上げられる。それは喜ばしいことではあるが、外部評価でなく、ここに暮らす人々が「自信と誇り」を持ち、小田切教授の言葉を借りるなら、地域を「磨き」続けることが何よりも大事なのではないだろうか。

(小田切教授の最新刊「農山村は消滅しない」(岩波新書)、オススメです。)

小田切教授訪問