気仙沼市から視察訪問

視察対応

東日本大震災からの復興に取り組む宮城県気仙沼市から行政やNPOスタッフら5人と、復興支援を行う大阪ボランティア協会3人が、9月26日に色川地区を視察訪問した。

気仙沼市からの5人は、大阪ボランティア協会の仲介により、阪神淡路大震災の復興支援に取り組んできたNPOや行政、地域が一体となってまちづくりに取り組んでいる地域を視察し、気仙沼の復興事業の参考とするため、23~28日に関西に滞在した。

色川では、移住・交流の活動やむらづくりの取り組みを学び、気仙沼を訪れたボランティアや支援者とのつながり継続するための仕組みづくりの参考にすることが目的。

受け入れに当たった色川地域振興推進委員会の原和男会長は、「自分たちの地域をどのようにつくっていくかを考えることは、どの地域でも求められていること。日々の課題はどんな地域にもあり、周りの人同士が互いにしっかりと手をつないで生きていることが大事だ。色川でも日々の課題に取り組みながら、“豊かな”暮らしを求めて頑張っているので、それが参考になればうれしい」とあいさつした。

その後、色川地区の概要や移住者受入の経緯、委員会の成り立ち、移住・交流の活動、成果・課題などを説明した。

意見交換では、訪問者側から「空き家や土地を提供してもらうための雰囲気づくりをどのようにしているか」「コミュニティのつながりが断絶している中で、住民による新たなコミュニティづくりに向けて、行政としてのかかわり方は」「遠隔地に避難していた市民が仮設住宅に戻って来ているが、戻ってきた人のエネルギーをどう地域づくりに変換していくかが課題」「仕事があれば戻りたいが、仕事がないという人が多い」など、さまざまな質問や意見が出された。

それらに対し、原会長は「なぜ移住者を受け入れているかというと、自分たちの地域を守るための仲間づくり。自分たちの地域らしさを知ってもらい、そこに魅力を感じる人に来てもらい、一緒に地域づくりをしていくことが大事」

「外部の人の力を借りて復興や地域づくりを考えるのではなく、まず自分たちが地域をどうしていきたいか、何ができるのかを考えたほうがよい。一人ではどうしようもないので、相談できる人、手をつないで一緒に何かをできる人を増やしていくこと」

「仕事があれば人が来るということは、仕事がなくなれば人は去る。仕事がなくなっても、人がいなければ地域は消えてしまう。その地域を自分の“居場所”ととらえ、居続けたいと思えば仕事を起こしていく。仕事がなくてもここに居たいと思う人の存在が大きな活気になる」といった話をした。

訪問者は「住民が散り散りになってしまった地域もあるが、残った人たちと一緒に、世代間のつながりをもって地域のよさを残していきたい」「自分たちの地域に自信や誇りを持てるようなまちづくりをしていきたい」と述べ、色川での交流が今後の復興活動の励みとなった様子だった。