新春初笑い!色川寄席

色川寄席

全国的に天気が荒れ、寒風の吹いた1月23日。口色川会館は、寒さを吹き飛ばす大きな笑い声に包まれた。「色川山里文化クラブ」(外山哲也会長)主催の、新春恒例「色川寄席」だ。5代目桂文三(ぶんざ)師匠と桂雀喜(じゃっき)師匠が、3つの噺(はなし)を熱演した。

始まりは、恒例になりつつある、南平野区浦勝良さんの「江戸芸かっぽれ」。軽やかに何役もの人物を踊り分け、はつらつとした踊りで観客を魅了した。

その後、寄席で披露された演目は全部で3つ。1つ目は、文三師匠による「うどん」。金のない2人の男が、一杯のうどんを半分に分けて食べるのだが、勘定のときに一文をうまくちょろまかす。もう一人の男が、後日同じことをしようとするが、見事に失敗するという内容。文三師匠の表情豊かで動きのある口演に、観客はぐっと引き込まれた。

2つ目は雀喜師匠の創作落語「エンディングノート」。酔っぱらった旦那と妻が、今はやりの「終活」を実践しようと、エンディングノートを書く話。とぼけたよっぱらいの旦那を、雀喜師匠がおもしろおかしく演じた。

最後は、文三師匠の「てんしき」。「てんしき」とは「おなら」のことなのだが、それを知らない和尚が、知ったかぶりをして弟子にその意味を探らせる。それが、なかなかうまくいかず、最後は弟子に嘘を教えられて大恥をかいてしまうという話。和尚が勘違いしたまま医者にてんしきの説明をするくだりは、特に会場から大爆笑が起こった。「おなら」は鉄板ネタのようで、子ども受けもことさらによかった。

口演後は、2人を囲んで手作り料理を持ち寄った食事会が開かれた。今年で7回目ということもあり、師匠たちと顔なじみの住民もちらほらいて、終始なごやかな食事会となった。

大勢で一緒に笑うと、たくさんのパワーをもらえる。これが、みんなで落語を聞くいちばんのよさではないか。色川に笑いで元気を運ぶ、色川寄席。来年の開催が、早くも待ち遠しい。

江戸芸かっぽれ