新たな社務所がお目見え

普段県道を走ることが多い方は、すでに目にされている光景と思うが、小阪区椙吉神社の境内に、新たな社務所が建設され、先日無事に工事が完了した。

2011年、紀伊半島大水害で、椙吉神社も例外ではなく大きな被害を受けた。本殿裏にある杉の木によって、奇跡的に本殿が流されることはなかったが、石垣は大きく崩れ、土砂によって以前の社務所は取り壊された。当時、住民自ら土砂を書き出し、運搬までも行ったそうで、ぱっと見る限り傷跡はわからない。しかし、今も完全な修繕には至っておらず、ひとつひとつ整備が進められていて、社務所の再建についても前々から話が出ていたそうだ。

とくに、宮司さんがきた際、着替えたり、儀式の準備をしたりするのに場所がないことが非常に不便であるということで、社務所の再建が実現することになった。

再建にあたり、2016年12月17日に地鎮祭が執り行われ、宮司さんに祝詞をあげていただき、無事工事が進むよう祈願。途中、工事が中断された時期もあったが、内装の工事も完了して、無事に完成した社務所を県道からも見ることができる。

神社庁によると、こうして災害にあってしまったのちに社務所などを再建する神社は、年々減っていて、再建された例はめずらしいそうだ。担い手の高齢化、維持の大変さなどが理由ということだが、そのなかで先を見据えた再建が実現したことは、とても嬉しいニュースだろう。各所に紀伊半島大水害の爪痕は残り、消えることはない。しかし、こうしたひとつひとつが、次代の光になっていくのではないだろうか。