大般若の祈祷会

今にも雪が舞い落ちそうな寒空の下、大野の集落を一望する山上の寺に、厳かな読経の声が響いています。大野区の伝統行事、大般若と厄払いの祈祷会が、1月15日に楞巌寺(りょうごんじ)で行われました。
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大般若の法要はそもそも、応永8年(1401年)ごろにこの寺に奉納された大般若経600巻(那智勝浦町指定文化財)を読誦祈祷するもので、江戸時代の記録によると、当時は色川郷あげての盛大な行事だったことがうかがえます。

現在は毎年1月15日に、大泰寺の香至義正住職により祈祷会が営まれます。今年は区民約30人が集まり、皆で般若心経を唱えた後、住職が読経し、地域の安寧と五穀豊穣、住民の厄災消除、家内安全を祈願しました。また、住職は「年の始めに、自分を振り返って、初心を新たにし、一年の無事を祈ることが大事。そうすることで今年もまたがんばろうという気持ちになる」と話しました。

その後、厄払い・年祝いのもちまきが行われ、普段は静かな境内が、ひと時、温かなにぎわいを見せました。
(執筆:たき)

般若心経を唱える住民たち

もちまきの様子