共同の釜炒り茶作り

「パチッパチパチ・・・」
「この音がせなあかんのや」
直径1メートルはあろうかという大きな釜で、おじいちゃんが茶葉を炒っています。辺りは摘み取られた茶葉と、薪が燃える香りに包まれています。–pagebreak–

「よっしゃ!ええややろ」と釜から茶葉を取り出し、むしろへ移すと、山男が大きな手で揉みます。日当たりのいい場所はむしろやござに支配され、おばあちゃんが丁寧にお茶を広げています。

籠地区では、数軒で一つの大釜を共有し、摘み取り・炒る・揉むなどの作業を助け合いながら、自給用のお茶を賄っています。手摘み・手揉み・天日干しとすべて手作業でしているので、釜の周りは活気に満ちており、自然に人が集まります。

茶畑を持たない若い世代も自生している茶を摘み、炒り方、揉み方の勉強にやってきては井戸端会議ならぬ、釜端会議に興じています。

「こんな大きな釜見たことない!」と4月に愛知県からIターンしてきた安藤晴光さんは驚き、「こういう作り方しておいしくないわけがない」と、お茶の完成を待ちわびています。
(執筆:とばやん)

お茶の新芽を手摘みする

薪を使い大釜で茶葉を炒る