色川地区のお隣、太田地区の地域振興を話し合う「太田から那智勝浦の未来を考える対話」が、3月20日に那智勝浦町太田地区の中里会館で開催された。主催は、太田Uターン協議会。–pagebreak–
昔から色川地区ともつながりが強く、抱えている課題も共通していることから、色川の経験や取り組みを共有できればと、色川からも参加させてもらっている。
今回の対話は第2回目。前回に引き続き過疎化、高齢化が進む太田地区の数々の問題が話し合われた。
前回の話し合いでは休耕田の解消、特産品の開発、台風災害の復興、旧太田中学校の活用などがあげられた。今回はさらに議題を絞り込み、「旧太田中学校の活用」について議論した。
参加者から「ライスセンター」「食育施設」「Iターン推進施設」「農産物加工施設」「農機具避難センター」「太田米ブランドの確立」と活用方法の提案があり、集まった人たちは5人ずつのグループに分かれて各提案について話し合った。
過疎化、高齢化、水利権、商標登録、定住者受け入れ対応、災害など問題点が次々と議論され、今まで気がつかなかったことや未来像を共有する有意義な時間となった。
色川の取り組みの中でも「米作り」に関しての関心が高く、「棚田を守ろう会」の活動や、農業体験の受け入れ体制について、現在色川で行っている取り組みを紹介する機会になった。
しかし、まだまだ問題は山積みであり、危機意識を持った住民もごく一部に限られている。
太田地区の人口は2012年3月の時点で1224人、50年前から比べると1年に34人ずつ減少している計算になり、数字だけを見れば36年後には住民が1人もいなくなる。田んぼに関しても全体で260町歩の農地があるが、その内90町歩は耕作放棄地となっている。
太田地区における対話は始まったばかりで、今後さらに地域住民の熱意と関心の高まりが期待される。