大野区のお弓保存会(大石健司会長)は毎年1月2日に伝統行事「お弓祭り」を催している。
今年も晴天の下、36回目の祭りが色川中学校運動場で無事執り行われた。
前日の元旦には、会員の3人が色川神社の川でみそぎの儀式を行い、本番に向けて心身を清めた。少しでも昔のお弓祭りを再現させようと、みそぎの神事も復活させて今回で7回目となる。
お弓祭りは、的射の儀式をし、「万歳楽」という祝詞をうたい、五穀豊穣や無病息災など、その村の平穏や繁栄を願う祭り。戦前までは各集落で行われていたそうだが、今では大野区だけになってしまった。大野区も一度は途絶えてしまったが、昭和52年、30年ぶりに復活させ、現在まで続けられている。
だが、後継者不足や当日の神事を見守る参加者の減少など課題も多い。そんな中、今年は、25年ぶりという塩?勇さんや、大野出身の浦勝良さんも参加してくれた。
また、今回初めて万歳楽をうたった吉田創さんは、塩?喜代一さんが昔うたっていた様子を古いビデオで見て、自分も喜代一さんのように万歳楽を覚えてうたいたいと思い、3カ月前から仕事の合間に練習し、本番では見事な歌声で暗唱して皆を感心させた。
保存会会員である筆者もそんな話を聞いて、「もっとこの祭りに対して、熱意を注がなければ。大野の子どもたちも将来受け継いでくれるよう、見せて恥ずかしくない神事を行いたい」と気を引き締めた。
お弓祭りを応援してくださった皆さま、この場を借りてお礼を申し上げます。そして、今年も村が繁栄し、平穏でありますように。