浦勝良・色川出張所長が異動

2001年から8年間、町役場色川出張所に勤務し、最後の3年間は出張所長を務めた浦勝良さん(59)が、出張所長に臨時職員を充てるという町の方針により、3月末をもって異動しました。色川の地域振興に取り組む住民組織「色川地域振興推進委員会」(原和男代表)の事務局を担い、夜間の会合や休日の視察者の対応など、勤務時間外の業務も厭わず、さまざまな住民活動にも積極的に参加し、まさに色川の活性化のために全力を尽くしてくれました。

色川を知り尽くす浦さんは、1950年大野地区生まれ。75年から26年間消防署に勤務しました。住まいは色川の外にありましたが、実家の田んぼの手伝いなどで、色川には頻繁に通っていました。77年から色川に住み始めた新規定住者たちが、次第に地域の活動にも協力して、色川に活気が出てきたと感じる中で、「自分も生まれ育ったふるさとの活性化にかかわりたい」と思い、色川出張所への異動を希望したそうです。

当初は、定住希望者の一時的な滞在研修施設「町立籠ふるさと塾」の事務局を担当していましたが、2003年から色川地域振興推進委員会の事務局も任され、定住希望者の問い合わせのほか、メディアの取材や他地域からの視察者の対応、委員会の役員会や総会など、業務は増えていきました。

「役場職員として当然の業務をしていただけ」と言いますが、地元の人間として、色川の活性化にかかわれることに大きなやりがいを感じていたそうです。ただ、「地域振興は、住民が主体的に取り組むことが大事なので、行政の立場の自分は、常に一歩引いた姿勢を心がけていました」。

役場の業務以外でも、公民館色川分館の合唱教室や、色川住民が楽しめる催しを企画する「山里文化クラブ」、色川花木園芸組合の活動に参加。毎年2月に開催される「色川大文化祭」では、歌、芝居、踊りと多彩な芸を披露し、みんなの人気を集めています。3年前に南平野地区に農家民泊施設「不動坂」をオープンし、ブルーベリー畑も拡大中です。

定年退職まであと1年。だれもが出張所長の任を勤め上げて退職を迎えると思っていた中での突然の異動に、住民から惜しむ声が絶えません。

「来年、退職したら一住民として色川へ戻ってきて、今まで同様、皆さんと一緒に活動したい。生まれ育った地域をよくしたいという思いはだれもが持っていると思います。昔ながらの暮らしが守られつつ、保育所や学校があって活気のある色川を何とか残していきたいですね」

浦さん、8年間お疲れさまでした。そして、これからもよろしくお願いします。

浦さん