梅の土用干し

土用に入り、毎日30度を超える暑い日が続いています。朝から強い日差しが照りつける色川では、風に乗って辺りに梅干しのいい香りが漂ってきます。庭先にはほんのり赤い梅の実が一面に広げられ、太陽をいっぱいに浴びています。梅の土用干しです。
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梅雨前に塩漬けしていた梅を、晴れが続く日を狙って三日三晩外で干します。最初は黄色い梅の実も、陽を浴びるたび赤色が濃くなっていきます。そして梅にまんべんなく陽が当たるよう、日に何度か一粒ずつひっくり返します。炎天下ではとてもキツイ作業です。

日中乾いた梅は夜露で水分を含み、昼にはまたカラカラに乾きます。これを繰り返し、最後に樽の梅酢に戻されます。塩で揉んだ赤紫蘇を加えれば梅は美しい赤色に染まります。梅の木の手入れから始まり、手間を惜しまず一粒一粒に心が込められた梅干し。離れて暮らす家族が今年もまた出来上がる日を待ちわびています。
(執筆:おしの)

庭先に広げられた梅干し。晴天が続いた土用に、あちこちの家で見られました