挑戦!ムシロ打ち・・・其の一 師匠訪問

山里での暮らしに欠かせない「ムシロ」。お茶を揉んだり、穀物を干したり、年間を通して大活躍の優れものです。昔はどこの家でも作っていたそうですが、最近では作り手の数が減り、品質の良いものは手に入りにくくなっています。広報通信班イラスト担当のやま&おしのが、ムシロ打ちに挑戦していく様子を数回に分けてお伝えします。
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色川でムシロを打つ方があると聞きつけ、小阪区の中西忠治さんを訪ねました。中西さんがムシロ打ちを始めたのは10年ほど前。誰に習ったわけでもなく、モノを見て試行錯誤しながら取りくんだそうです。

「昔、家のばあさんがしよるのを見とったけど、仕掛けるのに難儀した」

中西さんのムシロは、手に取るとずっしり重く、美しい。材料はもち米のわらとシュロ縄のみ。

「ムシロには、うるちのわらよりもちわらがええ。やわらかいさか、詰みよいんやだ」

織り機は、本体、オサ、刺竹からできています。オサというのは縦糸の位置を決める棒で、たくさんの穴が開いています。刺竹は、竹をへいだもので、横糸を通すのに使う。オサは上下に動かすことができ、これを打ち下ろすことで横糸を締めていきます。オサ以外の道具は、すべて中西さんの手作り。古い自転車を利用して、わらたたきの機械も作ってしまう器用な方です。

さて、感心ばかりしていないで、本題。織り機の寸法をくまなく測り、ノートに書きとめ、いざ、織り機作りに取り掛かります。果たして来年のお茶の季節に間に合うでしょうか??

(執筆:やま)

中西さん手作りの織り機

重くて美しい中西さんのムシロ