色川でも公演したことのあるピアニスト・天平さんによる「紀伊半島秘境ツアー2018」が、6月30日から7月16日にかけて行われる。2年に1回開催されるこの秘境ツアーは、毎回全公演が無料。今回のツアーは全部で13回の公演が予定されている。色川での公演はなく残念だが、7月7日に行われる神上中学校公演は、一昨年復活した、妙法小学校に残されていたピアノでの演奏となる。前回の神上中学校での公演は、ツアーの中でも目玉扱いの公演だったため、遠くは岡山や千葉からも天平ファンが詰めかけたほか、妙法小学校の卒業生も来場し、天平さんはもちろん、ピアノ自身も喜んだと思う。
今回のツアーの目玉は7月15日に行われる、てんかわ・天和の里公演。前回2016年のツアーにて、色川中学校で公演をした天平さんは、取り壊される予定であった中学校の中で見つけたグランドピアノがどうなるのかを、非常に気にしていた。新しい学校の講堂にはこのピアノは入らず、分解して保存することになりそうだと伝えると、グランドピアノを欲しがっている所があり、譲ってもらえないかという相談があった。役場に相談したところ、快くOKがでたので、中学校の解体前に引き取りにきてくれ、無事にピアノを神上中学校へと譲渡することができた。
てんかわ・天和の里も色川と同じく、鉱山の閉山によって急速に過疎高齢化の波に呑まれた地域。同地区では、地域おこしのために廃校を改装し、観光などに役立てているそうだ、同じ波に抗う者同士、応援の意味も込めながら、ピアノを贈り、末長く使い続けてもらえたら。