斜面に亀裂、土砂崩れの恐れ

台風12号により深刻な被害を受けた色川地区で、山の斜面に大きな亀裂が入り、土砂崩れの危険が懸念されています。–pagebreak–

場所は、大野区の県道43号線沿い、大野口バス停の付近。台風後に水道の復旧で山に登った近所の新宅功直さんが亀裂を見つけました。

日に日に少しずつ大きくなっているという亀裂は、山の斜面に弧を描くように走っており、所々崩れています。斜面には休耕田の棚田がありますが、田んぼにもひびが入り、段差ができて波打っている状態です。

斜面の下方には、3軒の民家があります。その1軒の新宅さんは「台風12号のとき、溝の水があふれて家の床下を流れた。15号のときもそうなった。今までそんなことはなかったので、水の流れが変わったのかもしれない」と話します。もう1軒の大久保通さんも「いつ土砂崩れが起きてもおかしくない。雨が降ると怖くて家にいられない」と警戒します。

原和男・大野区長は「土砂崩れが発生すると、下の谷が埋まり、土石流が県道下の郵便局や小中学校にまで被害を及ぼしかねない。町や県では対応が難しいというので、国のほうで対策を検討してもらいたい」と訴えます。

10月10日に色川地区の被災地を視察した民主党の玉置公良衆議院議員は、大久保さん、新宅さんの案内で現場を歩いて危険な状況を確認、「町や県の判断も聞いて、国がどう対応できるか検討したい。早急に対策を打てるよう最大限努力する」と話しました。

益子保美・色川地区区長連合会長は「ほかの区でも小さい規模だが亀裂が確認されている。今後まだまだ見つかると思う」と危機感を募らせています。復興の道のりは長いですが、住民が安心して暮らせるよう、こうした二次災害の危険が少しでも早く排除されてほしいです。
(執筆:たき)

亀裂の入った山の斜面

現場を視察する玉置議員(中央)と、大久保さん(左)、曽根和仁・町会議員