色川の門松は「なるたけしまつ」

「できるだけ節約しましょう」

そんな一年の目標が込められた門松が玄関先に飾られています。
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門松といえば、一般的には松竹梅を中心に葉牡丹や南天といった縁起のよいもので作られていますが、ここ色川の門松は独特で、椎の木の杭に、松・椎の葉・若葉・モッコク・米柴・ウラジロ・笹・千両・榊などをくくり付けたものが一般的です。さらに詳しくいえば、玄関に向かって右側に使う松は雄松(黒松)、左側に使うのが雌松(赤松)で、その他の飾り付けは5種類か7種類の奇数が縁起よいとされます。

もちろん、そのすべてが色川産であり、年末になると「どこそに、ええ雄松ないか?」とか「モッコクあそこで見たぞ」といった情報交換も風物詩になっています。そして、自らの目や情報をもとに、おじいちゃんたちは山に分け入り、門松の材料調達をします。中でも最も欠かせないとされるのは、皆が口をそろえて言う「なるたけしまつ(=できるだけ始末する)」、つまり竹・椎・松のこと。あれっ?「なる」は・・・?

「なる」の謎は来年へと持ち越されました・・・。
(執筆:とばやん)

門松作りの様子