少しずつ明るくなっていく集落

先月号で、大野の里山づくりのことを紹介した。今月号では、熊瀬川と円満地で木の伐採が行われ、集落が明るくなったことを紹介したい。

熊瀬川の川沿いで、昨年9月に、道路沿いの木100本近くの伐採が行われた。農水省の事業を活用している「色川住みよい村づくり協議会」(代表新宅伸一)の一環で行われた。

作業は松本林業が担当し、木を川に落とさぬように伐採していった。中には、かなり太くなっていた木もあったという。この作業によって、道路が明るくなり、すぐ隣にあった茶畑にも日が入るようになった。

円満地での伐採作業は、今年1月に行われた。こちらは鳥羽山林業が作業を担当。円満地の太田川沿い。70本ほどを伐採。もともとは地元の方の土地で、伐採について話をしたところ快諾してくれたそうだ。ここで伐採された木は新宮原木市場へ出荷された。川の向こう側は円満地公園オートキャンプ場のコテージで、見晴らしがとてもよくなった。

今回のこの2つの伐採に関わった新宅伸一さんは「こうしたことは、土地の持ち主や区長さん、皆さんの協力を得てできることだと思う。いろんな住民に「あそこは明るくなったね~!」とよく声をかけてもらう。茶畑を管理する人たちからも感謝され、彼らが実は、茶畑にスギシバが飛んできたり、日当たりが悪いなどの問題を抱えていたことに、今回気が付いた。」と話す。働きかける人、協力する人、実際に作業をする人がいて、少しずつ集落が明るくなっていく。少し前の缶コーヒーのCMの「世界は誰かの仕事でできている」というキャッチフレーズを思い出した。誰かの行いの積み重ねが、集落を作っていくのだと感じた。