届け!色川の温もり 「いろのわ青空市」開催

いろのわ

11月のある日、筆者と荒木寛子さん(大野区)の「色川のおいしいもん、えぇもん、楽しい暮らしぶりをもっと町の人に知ってもらいたいね」という何気ない会話から周囲の人たちを巻き込んで始まったフリーマーケットのイベント「いろのわ青空市」が、12月13日に円満地公園オートキャンプ場で開催された。

午前9時。普段は閑散としている円満地公園の駐車場に、七輪、薪ストーブ、野菜やコンパネなどたくさんの荷物を積んだ車が次々に到着した。火を熾し、テーブルを広げ、商品を手際よく並べていく。イベント開始時間の10時が迫っても、出店者の間には笑顔とのんびりとしたおしゃべりが漂う。

いろのわ

色川のみならず下里や高津気、遠くは田並や本宮からの参加もあり、食べ物の屋台やフリーマーマーケットのお店など合わせて20店舗が並んだ。新宮市から出店した宮本さんは「15年以上和小物を作り販売しています。色川には前から一度来てみたかった」と笑顔で話し、店番の合間に色川の出店者のブースを見て回っていた。

主催者の「色川ならではのものを来場者に提供したい!」との思いに、色川ブランド研究会や色川旬菜、住民有志らが応え、鶏汁や鹿肉おやき・バーガー、朝採り野菜などが販売された。

旧農協横ガレージに24時間オープン中のぐるぐるマーケットへの寄付を目的としたセリ即売大会では、手作りジャム・ジュースやパン、野菜、サーフボードなど30以上の品物が寄せられ、荒木さんの小気味良い大阪弁の司会で次々と競り落とされていった。

この日は自家採取の種の交換所も設けられ、種の由来や蒔き時を教え合う人の輪ができていた。また、鹿の角を使ってお気に入りのアクセサリーを作ることができるコーナーでは、20代女性3名が一心に制作に取り組んでいた。

いろのわ

川のせせらぎの聞こえる森に囲まれた会場で、小さな出会いや体験、人とのふれあいを通して、遊びに来てくれた方の心にはどんなメッセージが届いただろうか。人の温かさや自然の良さを少しでも感じてもらえたならうれしい。

(つざきふき)