天平さん 迫力のピアノコンサート

世界を股にかけて活動するコンポーザー・ピアニスト(作曲家・ピアニスト)、天平さんのコンサートが、7月12日に那智勝浦町立色川中学校で行われた。–pagebreak–

天平さんは、自らの「精神世界の故郷」だとする紀伊半島で、2007年よりボランティアのコンサートツアーを行っている。3回目となる「紀伊半島秘境コンサートツアー2012」では、7月3日~13日にかけて、高野町、奈良県の天川村や十津川村、三重県の熊野市など11カ所で公演した。

「普段ピアニストの演奏を聴く機会がない現地の人たちと、紀伊半島のすばらしさをまだ体感したことがない外からの人たちのふれあいの場になれば」という天平さんは、紀伊半島の田舎や山奥でコンサートを開く。

色川中学校の会場に登場した天平さんは「まさにここのような山奥の学校でコンサートをしたかった」とあいさつ。また、「紀伊半島は昔の日本人が切り開き、自然と歴史・文化が共存しているところ。こんなすばらしい場所をもっといろんな人に知ってもらいたい」と話した。

演奏では、まず「山奥の自然」をイメージした即興曲を披露。さらに「一期一会」「夜行列車」「レクイエム」「キー」「フレイム」など10曲を演奏した。激しくスピード感のある指使いで美しい曲を奏でる天平さんの演奏は、子どもからお年寄りまで、会場いっぱいの聴衆を魅了していた。

アンコールで再登場した天平さんは、会場からのさまざまな質問に答えた後、子どもたちへのメッセージとして「これからいろんな経験をしていくが、大人からやらされて頑張るのではなく、自分がやりたいと思うこと、好きなことを見つけてほしい」と伝えた。

最後に、土地の伝説や名産を聞いて即興曲を作るということで、色川の名産がお茶であることを聞いた天平さんは、お茶を飲んでほっとできる曲を即興で演奏した。(たき)