笑いで心温まる~色川寄席

桂文三(ぶんざ)師匠、桂雀喜(じゃっき)師匠を迎え、新春恒例の「色川寄席」が1月21日に口色川会館で開催された。–pagebreak–主催は色川山里文化クラブ(浦勝良代表)。

今回で3度目となる色川寄席、当日はあいにくの小雨だったが、そのおかげか寒さは比較的緩み、開演前には、色川地区の老若男女を問わず、たたみ席から人があふれるほどのにぎわいとなった。

「てけてんちきちん、てけてけ…」

お囃子が聴こえ、さあ開演!まずは文三師匠の演目前、軽快な「マクラ」に加え、昨年の台風12号被害に対する温かい気遣いの言葉を述べた。よく「歌」は人の心に訴えかけ、感動を分かち合う、と言われる。言葉も「言霊(ことだま)」と言う。心のこもった言葉は、「歌」以上に心に響き合う。気遣いの言葉の優しさ、温かさを感じながらの開演だった。

さて、お待ちかねの演目は「狸賽(たぬさい)」という、鶴の恩返しならぬ狸の恩返しのお話。話し方はもちろん、身振り手振り、そして顔で表現する文三師匠に、会場笑いが止まらない。

次に雀喜師匠の演目「池田の牛ほめ」。世間とずれている与太郎が、伯父の家や牛をほめたたえて、お小遣いをもらう計画が、とんでもないことになったお話。実は雀喜師匠、40歳を越えて仮面ライダーを心から慕っているらしい。師匠も少々ずれては…(失礼)。

最終演目で再度、文三師匠が大ネタ「崇徳院(すとくいん)」を披露。手伝い(てったい)さんの熊五郎が、若旦那と若い娘との互いの片恋思いを始末するお話。最後は暴れて、百人一首の「(散髪屋の命の鏡を壊し)割れても末(月末)に、買わんとぞ…」。ほんまにええんかいな?

この日は二十四節季の「大寒」に当たる日。そんな中、温かい言葉と軽妙な話術、観衆の大きな笑い声で、大寒もどこかに行った様子の「色川寄席」だった。(のーやん)

会場をわかせた桂文三師匠と桂雀喜師匠