都会の若者が田舎暮らしを体験

和歌山県では、田舎暮らしや農林業に興味のある人と手助けを必要としている農村とを結び、農村の活性化を目指す「わかやま田舎暮らしワークステイ」を実施しています。参加者は、数日間、地域に滞在し、農作業の手伝いや地域活動を行いながら、住民と交流し、田舎での暮らしを体験します。那智勝浦町では色川地区が受け入れ地域となっており、8月は6件の申し込みがありました。
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8月10?13日に参加したのは、東京の女子大学生2人。里山づくりやブルーベリーの収穫などを体験しました。

田舎暮らし体験は初めてという2人がまず訪れたのは、植林された杉を間伐し、里山づくりに取り組む「色川明るい里山森づくりの会」(白水節二代表)の活動地「コロコロランド」。間伐した倒木から冬用の薪を作る作業や、少し離れた沢から水を引く作業などを手伝いました。

翌日は、色川花木園芸組合の平岡靖敏代表のブルーベリー農園で、ブルーベリーの収穫とジャム作りを体験。「東京で食べるジャムとは違って、新鮮なブルーベリーの酸っぱさが残っていておいしい」と、都会ではなかなか味わえないジャムの味に下鼓を打ちました。

2人は「短期間だったが、『過疎』『限界集落』という単語を知っていても、まったく分からなかった田舎の現状がさまざまな人の話から垣間見え、田舎のことを考えると同時に、自分が今暮らしている環境、町はこれでいいのだろうかと考えた。また、まちづくりにとても興味がわいた」「友人に誘われて何か新しい発見があればと思い参加したが、実際に生活の一部を見たら、新しい発見どころか、考え方が少し変わってきたように思う。2日間しか体験していないが、学んだことは大きかった」と感想を残しました。

また、一番印象に残ったのは、「本業(農業)をよりよいものにするために、それ以外のことにじっくり時間をかけていること」。常に時間に追われ、短時間での効率性が求められる都会での暮らしとは異なる色川の暮らしを体験し、大いに刺激になったようです。

色川地区では、11月までワークステイ参加者を受け入れている。

 

里山づくりの作業を手伝う参加者