約700人ものランナーたちが町内を駆け抜ける

「日本で一番参加者に優しい」とランナーに言わしめるほど、ランナー界で定評のある「奥熊野いだ天ウルトラマラソン」。今年も、65、88、100㎞の3部門で、合計約700人ものランナーたちが、那智勝浦町内を駆け抜けた。

ランナーたちにこの大会が愛されている理由は、各エイドの素晴らしすぎる「もてなし」によるところが大きいだろう。

参加者の顔ぶれという冊子を見るといたるところに「感謝」の文字。エイドごとに、前日や早朝から準備を進めて、茶がゆやめはり、鹿肉や色川茶、ぜんざい、そうめんなど多彩な品でお出迎え。温かな声援と、このもてなしが彼らを大いに勇気づけたに違いない。

また、「風景に惹かれて参加している」という声も多数寄せられていた。当日は快晴で、山々の新緑が映え、水の入った田んぼもキラキラと光っていた。坂道が多く険しいコースにも関わらず、年々参加者が増えている背景には、この美しい風景が彼らの心を惹きつけ、また癒やしていることもあるはずだ。

参加者のなかには、井鹿の住人や役場職員、郵便局員の姿も。過去、色川内でもこの過酷なマラソンに挑戦した猛者たちがいたそうだ。来年は開催20周年の記念すべき年。新たな挑戦者が名乗りをあげるかどうか、期待が高まるところだ。