坂足へ、ササユリ見学ツアー

「坂足の神様もびっくりしてるなぁ」そう後呂秀子さんが、思わず声に漏らしてしまうほど、6月8日の坂足地区は賑やかだった。いつもは住民3人の静かな坂足へ、色川花木園芸組合(代表 平岡靖敏)のみなさん、14名が後呂さん宅のささゆりを見学するため集合した。

後呂さんのお父さんの代から、約50年守り続けているというささゆり。見学当日は6分咲きほどだったが、白色やうすい桃色のきれいな花を咲かせるささゆリは、そのただずまいも含めて見応えがある。後呂さんはじめ、見学に訪れた方々は、「昔はそこらの通りに、何十本も咲いとった」と言うが、今ではめっきり見かけなくなった。原因は、いのししや鹿など獣による被害らしい。後呂さん宅では、家の裏に竹の囲いをぐるりと巡らせて、ササユリを獣から守っている。

また、ささゆりだけでなく、家の周りにはたくさんの種類の花たちが育てられている。後呂さん夫婦が手塩にかけて育てた庭の花々に参加者は興味津々で、「これはなんなん?」「綺麗やねえ」と、一つ一つじっくり見学されていた。

集合は10時ごろで、たっぷりと花々の見学をして、11時。みんなでお昼を食べようとお弁当が用意されていたが、まだ食べるにははやい。見学だけかと思っていたが、さすが花木組合。寄せ植えのワークショップが準備されていた。大小さまざまな鉢が用意され、(花の名前?)などを植えていく。寄せ植えはセンスが大事。あーでもない、こーでもないを繰り返し、出来上がった鉢を見てみなさん「べっぴんさんに出来たわ」と満足げな表情。自分で作った寄せ鉢は、持って帰ることができたので、参加者のみなさんの家がまた一つ明るくなることだろう。

お昼は、お弁当だけでなく、スモモムースのケーキや、ブルーベリーのケーキなど手作りお菓子も盛りだくさん。お茶をしながら話にも花がさき、話題はつきない。普段なかなか会う機会がない方も多く、こうした場はとても貴重だ。終始、坂足に楽しそうな笑い声が響いていた。

例年、花木組合は視察旅行に出かけるそうだが、今年は諸事情があり行けなかった。代わりに、今回のささゆり見学が企画され、「どうせならお昼も」「じゃあ、寄せ鉢をやろう!」と、すぐに企画が決まっていったそうだ。

同じ地域でも機会が無ければ行くことも少ない坂足への訪問。花木組合らしい「小旅行」になったのではないだろうか。