子牛の誕生

2月21日、筆者が牛耕を目的に飼っている母牛「ゆり」が元気な雄牛を出産しました。父牛は「福安照」という種牛で、人工授精によって産まれた子牛です。

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牛の出産の流れは、「開口期」「産出期」「後産期」の3段階あります。開口期という牛の意識とは無関係に起こる陣痛から始まり、その陣痛の繰り返しによって胎児が産道に移動します。その後、第一破水という赤褐色の液が入ったものが外陰部から出てきて破れます。その30分後ぐらいに胎胞という褐色の胎水を含んだ黄白色のものが見え隠れし、その中に胎児の肢の先端が見えてきます。その後、再び破水が起こり順調にお産が進んでいれば、30分ほどで胎児が産出されます。この期間が産出期。最後の後産期では、産出後の3~4時間後に後産(胎盤)が排出され、そこでお産は終了です。

牛の出産は2度目ですが、まだまだ経験不足で、予定日より1週間も遅れていたこともあり、出産の瞬間には立ち会えませんでした。ですが、難産になることもなく生まれてきて一安心です。

弘法大師の縁日に生まれたので、名前は「大師」にしようと考えています。でも、この子牛と居られるのも9カ月ほどしかありません。牛耕には、雄牛より雌牛のほうが向いているため、11月に開かれる子牛の市場に出す予定です。

牛の出産は1年1産が目標とされますが、次の出産時には、経過を見逃すことなく、しっかりと子牛の誕生を見守りたいと思います。
(執筆:ヨーヘー)

母牛ゆりと産まれたばかりの子牛