色川小学校で米作り学習

那智勝浦町立色川小学校(丸谷昌良校長)の児童たちが、5月31日に田植えを行った。–pagebreak–

これは、学校・家庭・地域が一体となって子どもたちの豊かな学びや育ちを支える「共育コミュニティ」の取り組みの一環で、同校では、地域共育コーディネーターの白水節二さんの協力のもと、米作り体験学習を行っている。

場所は、大野区の住民から借りた、学校そばの約2アールの田んぼ。「みんなの田んぼ」と名付け、4月から全学年が一緒になって、田起こし、畦削ぎ、モミ種まき、代かき、畦塗りなど、米作りの一連の作業に取り組んできた。

この日はいよいよ田植え。苗を縦と横の筋をそろえて植える「正条植え」で植えるため、まず、白水さんが引いた縦の線に、6年生の大石蒼太君が筋引きの道具を使って横の線を引いた。その間に、1年生から5年生が、30日前にモミまきをして十分に育った苗をポットから丁寧に取り出し、それぞれ腰につけた苗かごに入れた。

「植え方は、親指と人差し指でやさしく入れます。深すぎても浅すぎてもだめですよ」

白水さんの説明を聞きながら、子どもたちが筋の交差したところに目をこらし、一つ一つ植え始めた。田植えが初めての1年生も、先生に教えてもらいながら慎重に植えていく。

「あ、イモリがいた!」
「こっちはアメンボがいっぱい」

慣れてくると、田んぼに生息するさまざまな生き物にも目が行く。

そうして、田植えは1時間ほどで終了。子どもたちは「初めは難しかったけれど、植えているとだんだん楽しくなった」「ばってんのところにちゃんと植えられてよかった」とそれぞれ感想を述べた。

この後、6?7月に中耕除草の作業を3回行い、9月に収穫を迎える。

「八十八」の手間がかかるといわれる米作り。自然の恵みを受けながら、自らの手で稲を育てる体験は、子どもたち自身をも大きく育ててくれるだろう。(たき)

ポットから苗を取り出す